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ホテルの売上アップ、具体的には何やってるの?事例をもとにコンサルタントが解説!(前編)

 

 

こんにちは、NBSホテルマネジメントです。

私たちは宿泊施設様に対し、WEBをはじめとする宿泊の販売強化から運営の改善までをオーダーメイドでサポートしています。さまざまなスタッフが施設の皆様をサポートしていますが、「売上アップのために具体的にどんなことをしてくれるの?」というのは皆さん気になるところではないかと思います。

 

そこで、私たちの仕事をわかりやすく知っていただければと思い、「宿泊業界ノウハウの教科書」を再始動!1回目はコンサルタントの林に、ホテルの改善事例を聞いてみました。

 

NBSホテルマネジメント コンサルタント

林 剛はやし たけし

前職はシティホテルの宿泊部門に勤務。約15年販売関連業務やレベニューマネジメントなどに取り組み、コロナ禍を機に転職。現在は宿泊施設のWEB販売の改善やリアルエージェント対応、販売強化策の立案・実施、レベニューマネジメントの指導、効率化のためのオペレーションの改善などに取り組み、施設の販売促進・売上アップをサポートしている。

 

 

自社の強みがわからず値下げ競争で売上が低迷したホテルをいかに立て直すか

 

-今回ご紹介いたただくホテルと、抱えていた課題について教えてください

 

 今回ご紹介する施設様は、有名観光地の駅の近くにある中規模のビジネスホテルです。客室数は約200室です。

 

ホテルは新型コロナの影響で売上が低迷していました。ご縁があって2022年のゴールデンウィークからサポートをしているのですが、その時点では稼働率が月間30%程度で、販売ノウハウもお持ちでない状況でした。売上を最大化するために顧客の需要やホテルの売上予測に応じて最良の価格を設定する、というレベニューマネジメントの考え方もなかったですね。

 

コロナ禍でもビジネス客はいましたが、駅周辺に新しいビジネスホテルがどんどんオープンしており、競合他社が増えていました。施設様は築40年で駅から少し歩くので、駅により近く新しいホテルにお客様が流れていました。

 

また、競合他社の安売りに合わせて施設様も安売りをしていたことが、売上低下の一因となっていました。施設様は「強みもなく、コロナの影響もあるから宿泊客が増えない」と思い込んでいらっしゃるようでした。それで値下げをしていたんですね。

 

 

 

ホテルと並走して2つの「ウリ」を発見
お客様の口コミは宝の山

 

-課題をどのように解決していったのでしょうか

 

 私たちのモットーは「単なる『OTA作業代行』ではない、手を動かしながらの課題解決」です。このため、施設様とミーティングを重ねながら、その宿泊施設のウリは何かというところから話し合うとともに、提案を実際に形にして、課題を施設様と一緒に解決していきました。

 

まずは「どの施設様にも強みとなるウリは絶対ある!!」と考えて、施設様とウリの掘り起こしを始めました。ホテルの特徴を分析しつつ、口コミを熟読しました。口コミについてはサイトでみられるすべての口コミを分析し、キーワードとなる言葉をピックアップして数値化しました。私たちが分析したホテルの特徴と、口コミの分析結果は同じような内容で、「お客様はウリを教えてくれる存在なんだ」と感じました。

 

このように、「お客様はよくわかっているのに施設様はわかっていない」ということはよくあります。ずっといる人にはウリが当たり前すぎて気づきにくいんですよね。第3者視点で「これはウリになる」と提案するとびっくりされることが多いです。

 

 

-どのようなウリが見つかったのでしょうか

 

 まず、ホテルの目の前の巨大バスターミナルがウリだと感じました。実はホテルがある地域は、繁忙期には駅前のバス停が大変混雑していました。ひどい時はバスに乗るために1時間行列に並ぶほどです。しかし、ホテル近くのバスターミナルはそれほど並ぶことはなく、主要観光地への路線も豊富でした。始発のバス停なので座席にも座れるというメリットもあります。

 

当初、ホテルはビジネス客しか見ていませんでしたが、ウリから観光客にとってメリットがあることがわかったので、ターゲットを観光客へと広げました。平日はビジネス客、土日祝日は観光客というようにすみ分けにもつながりますよね。

 

また、周辺のホテルとしてはあまりない、平面駐車場があることもポイントでした。周辺地域から車で来るお客様も多い観光地なので、平面駐車場はメリットになるんです。また、車での子連れ旅行で大きめのファミリーカーでも駐車しやすく、立体駐車場より移動距離が短いことから、「ファミリーにも優しいホテル」としてアピールできると考えました。

 

 

 

-見つけたウリをどのようにアピールされたのですか?

 

 自社サイトや楽天トラベルなどのウェブページで積極的にアピールしました。フォトギャラリーをはじめとした写真についてもより伝わりやすくなるよう刷新しています。バスターミナルの写真を入れたり、駐車場の写真を入れたりしていますよ。

 

また、宿泊プラン名についても「クルマを宿に置いて観光地に行こう!」のようにウリを明確化して出せるように工夫しました。例えば楽天トラベルの場合、プラン名に50文字くらい利用できるんです。このため「シンプルプラン」「朝食付き」というだけでなく、タイトルにウリを盛り込みました。このようにターゲットに対してウリをしっかりと見せるように改善したことで、観光客が明らかに増え、客層に変化が現れたことは大きな成果だったと思います。

 

同時にサポート前はプランが多すぎたので、プランを絞り込みました。どのターゲットに届けたいのか、ターゲットにマッチするのか?を考えてプランを立てる必要があると思います。

 

(後編)に続く>>>

 

 

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