ホテルの売上アップ、具体的には何やってるの?事例をもとにコンサルタントが解説!(前編)
こんにちは、NBSホテルマネジメントです。私たちは宿泊施設様に対し、WEBをはじめとする宿泊の販売強化から運営の改善までをオーダーメイドでサポートしていま...続きを見る
こんにちは、NBSホテルマネジメントです。
弊社スタッフから売上アップの具体例を紹介するインタビュー記事。後編は施設の課題だった「多すぎるプラン」「レベニューマネジメント」を中心に解説していきます。
-宿泊プランが多すぎたものを精査した、とのことですが、以前はどんなプランだったのですか?
林 サポート前は数十のプランがあり、差別化できていませんでした。例えば、施設様が利用する楽天トラベルでは、プランが多すぎて検索画面がフリーズするほどで、早割りプランだけで5種類もあったんです。それではお客様がせっかく泊まろうと思ってもどのプランを選べばいいのかわかりにくいですよね…。
「プラン数はより多くのターゲットにアピールできるから多いほどよい」という意見もあるかと思いますが、私はそうは思いません。実際にお客様がプランの一覧を見たときに、分かりやすいか、予約しやすいかをお客様目線で検証すると、少ないほうがよいこともあります。
このため予約実績を見ながらほとんど売れていないプランや更新されていないプランを削除し、実績があるものだけ残しました。また、プランを減らすだけではなく、観光客向けにイベント専用プランや小さなお土産物をつけるプランなど、ウリをアピールするためのプランを新設しています。
結果、プラン数は1/4くらいになりました。整理後は楽天トラベル内での表示順位(掲載順位)が上がり、転換率もアップし、売上も3倍以上になりました。
さらに、自社サイトへの誘導を強化しました。これまでは楽天トラベルのシステムを使っていたところ、独自のブッキングエンジンを導入。自社サイト限定プランを作れるようにしました。
-売上アップのために他に取り組んだことはありますか
林 客室稼働率を高めるため、客室の売り止めを改善し、レベニューマネジメントに取り組みました。
客室の売り止めをされてしまうと、売上アップのための仕掛けをしても意味がありません。そのため、支配人と売り止めの部屋を見直しました。実際に足を運んで客室のチェックをして、客室の設備が故障していて売れない場合は、業者を入れて修理してもらいました。
また、現場が忙しすぎて安易に売り止めしていたところもあったので、そこも改善しました。コロナ明けで需要が戻り、予約が一気に増えて処理しきれていない部分もあったんです。
まずは現場の「メインの仕事があるので他のことになかなか手を出しにくい」という意識の改革に取り組みました。また、業務の割り振りの見直しも提案しました。もちろん、施設様がスタッフを増やされたことで改善された部分もあります。
こうした施設様の努力の結果、それまでは稼働率が60%〜70%と頭打ちだったものが、昨年11月には90%を超えて過去最高を記録しました。
-レベニューマネジメントの取組について教えてください
林 売上を最大化するためには、自分のホテルにどのくらいの予約数があり、どの程度まで伸びるのか予測して料金を設定する、レベニューマネジメントの考え方が必要です。サポート開始時点で施設様にその視点がなかったので、まずは考え方から丁寧にお伝えしました。さらに月に2回ほど打ち合わせをして、実際に数字を見ながら料金をコントロールしていきました。
弊社は宿泊業界向けのレベニューマネジメント支援ツール「ANDPLUS」を提供していますが、施設様にはこれを使って日々の数値管理をしてもらいました。必ず見てほしいのが毎月の稼働率なので、「予約のボリュームなどをダッシュボード画面(トップページ)に集約しているので毎日見てください」とお願いしました。また、私自身も画面を毎日チェックし、大きな変化があった場合には電話で情報交換しました。
前日と前々日で数字の動きが違えば「何かあったのかな?」という気づきになるので、まずは数字になじんでもらうところからスタートし、実際に需要に合わせて料金をコントロールするところまでサポートしました。
競合他社の販売価格との比較もしましたが、競合他社の価格が適正であるとは限りません。自社ホテルの予約がもっと伸びる見込みなのに、他社が安いから値下げするのはロスです。そういったことをなくすように数字を見ながら料金設定に取り組みました。
-宿泊料金を変える以外に取り組んだことはありますか?
林 需要に合わせて「制限をかける」こともレベニューマネジメントでは重要です。例えば今後予約が伸びていけば満室になるという状況にあるとします。その場合料金を上げるのも一案ですが、ツインで2〜3名定員として販売しているものを3名予約のみにして客室単価を上げるのも一つのアイデアです。
また、朝食と素泊まりプランがある場合は素泊まりプランをストップして朝食付きのみ販売するなど、売上アップの施策をとりました。客室の販売方法を自社サイト限定にするのも、OTAへ払う手数料がなくなるので収益のアップにつながりますよ。
-今後施設様と取り組みたいことはありますか
林 まずは早期予約が見込める訪日客を増やしたいと考えています。海外OTA経由の販売を増やそうと、いろいろなキャンペーンを始めたところです。また、リアルエージェントに営業し、インバウンドの団体客を送客してもらえるようにアピールしています。
他にもまだまだ課題はありますので、施設様と一緒に考えて改善を実現させ、施設様にもっと喜んでいただけるよう、引き続き頑張っていきたいと思います。
-ありがとうございました
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